日本アニメーション業界の至宝「新海誠」による歴史的大ヒット映画「君の名は。」
その「君の名は。」に続く作品として昨日公開された作品が「天気の子」である。
「君の名は。」が大当たりした中、その次回作ということで尋常じゃないプレッシャーの中作られた作品である事は想像に難くなく。「君の名は。」を超えることはまぁ無理だろうと世間からは言われていた。
しかし新海は超えてきた。
いや、私の見た感想では正確には超えてはいない。
例えるなら君の名は100m走で力強い走りを見せつけ、天気の子は走りテクニカルに高跳びで美しく飛んだ。
同じ「陸上」というテーマでありながら全く別の種目で素晴らしいものを見せてもらったという感想だからだ。
今作も前作と同じよう根幹としてのテーマは「愛」である。
前作は「愛故に全てを救う」という話だと私は思うのだが、今作は真逆の「愛故に全てを滅ぼす」という話であると思う。
「自己犠牲」「美しく散る」という日本人的美学に反旗を翻す作品であり。
誰か他人のために祈り続けたヒロインが最後は自分の為に祈ることができるようになったという、「独りよがりの不良が、周りのために自己犠牲をして最後死ぬ」みたいな有りがちな話と真逆の成長を描いた作品だと思う。
そして主人公としては、言ってしまえば自分の我儘で世界を変えてしまった罪悪感を感じながらも、愛故に自分の選択が間違っていないと確信し「大丈夫だ。」という。
この作品が一番伝えたかったことは「愛の為なら人は狂ってもいい」という事だと私は思う。
そして、「やりたいこともやれないこんな世の中じゃ、ポイズン」である。
今までさんざん愛を引きずって人生を棒に振る人間の作品を作ってきた新海誠監督らしい一種の開き直りを私は感じた。
中学生時代からヤンデレが好きな私としては自分の恋愛観が肯定された気がするような映画だった。
素晴らしい作品をありがとうございました。
ただ、巨大な水溜りや魚、主人公の絆創膏、芳賀さんとお嫁さんなどもうちょっと掘り下げてほしかったようには感じる。
そして、スポンサー商品が多すぎるのも個人的にはあまり好きではなかった。特に某食品会社がひどく、さらに映画公開前に映画のワンシーン内容に触れながら作った広告が流されていてそれが頭をよぎり非常に不愉快であった。一様下にURLを貼っておくので見たい人は見てみて欲しい。そして事前にこれを見て映画を見てしまうとどうなるか考えながらもう一度見てほしい。
https://www.cupnoodle.jp/tenkinoko/
そんなシーンを写すより上記のどれかを掘り下げて欲しかった。
途中までスポンサーのステッカーがペタペタ貼られたスポーツカーを見ているような気分になった。
それでもこの作品は前作よりメッセージ性が強く分かりやすい名作だと私は思う。
そして天気の子はハッピーエンドだと私は思う。