仕事帰り、近所の道の駅で400円する可愛らしいデザインのワンカップ日本酒を買った。
ワンカップなんて久しぶりに(三ヶ月ぶりくらい)に飲むなぁと思いながら会計を済ませハッとした。
ひとつ400円(税抜)もするワンカップを買ってしまったのだと。
思い起こせば数年前、私は貧乏学生だった。
バイトを辞めて、次のバイトも探さず本当に貧乏だった数年前の冬。
私は最寄りのスーパーで下の下の世界の悩みをしていた。
なんの酒を飲むかで小さなスーパーの店内をウロウロ一時間くらい過ごしていたのだ。
普通の人なら
人生の落伍者が飲む酒としてワンカップをイメージするかもしれない。
断言しよう
ワンカップは高級品である。
当時の私は
紙パックの900mlで550円の日本酒を飲むか
8%の酎ハイ500mlで150円を三本買うかで悩んでいた。
個人的に下の下ランキングで上位なのは
一円あたりのアルコール量により決まると思っている。つまりは蒸留酒が上位を占めるのである。
その中でもとりわけ安価を誇る焼酎が本来のお決まりコースであるのだが、583円で満足行く量を買える焼酎はそのスーパーにはなかった。
そして外はこんこんと雪が降っており
家には昨日なけなしの金で作った鍋が残っていた。
ここから導き出せる答えはやはり熱燗である。
ここでも一般的なイメージとして
鬼殺しの100円紙パック酒が存在する
しかし、それより大手メーカーの900ml日本酒のほうがコスパと照らした下の下度は高いと考えられた。
しかし、高度数酎ハイ3本は1.5lの量をアルコールと人工甘味料という合わせ技により下の下の落伍者というより、ジャンキーといった側面を持っていた。
こうした下の下の悩みを当時私はよくしていたのである。
今となってはあの日
私が何を買ったのか思い出せないが
意味のわからないことで悩んでいたのは事実であった。
400円のワンカップを冷蔵庫にしまいながら
懐かしい思いになった。
当時の私に今の私が伝える言葉があるとすれば
おまえはアル中だ。
さっさと病院行け。