肛門よりいづる者

真面目に生きてバカをみた

記事 500円の人生

 

日本三大中華街は横浜、神戸、長崎である。
中華街と言えばやはり異国情緒を味わいながら、肉まんや小籠包など中華料理に舌鼓を打ち、天津甘栗を押し売りされるといった楽しみ方が一般的である。
そんな中華街で恐らく多い順に並べると、中華料理屋、天津甘栗屋についで多いのが占い屋ではないかと私は思う。
それくらい中華街には占い屋が多いのだ。
占いの歴史は非常に古く、戦争や政治には欠くことの出来ない要素の一つである。


無論中国の占いはそれはもうよんどころないほど悠久なる歴史に研磨された技術の賜物である。
そんな訳だからなのか不明であるが確かに中華街には占い屋が多いのだ。


一回1000円、安ければ500円で手相占いをしてくれる。ところによればタロット占いだってしてくれる。なんなら併設されているパワーストーンショップのおすすめ商品のラインナップも教えてくれる。


手軽に本場中国の占い結果をサクッと知れるのだ。中華街の占い屋はカップルや女性陣、そして人生に悩むサラリーマン達から相当な支持を集めているように見える。私も中華街を歩けば声をかけられる。人生に悩んでいるような雰囲気が漏れ出ているのかもしれない。

 

しかし

 

私は絶対に中華街で占いは受けない。

まず、断っておきたいのは私は占いを馬鹿にしており全く信じないから受けないのではない。

 

尋常じゃなく信じているから受けないのである。

 

というのも私は強迫観念に囚われがちな傾向にある。


ある新年におみくじで三回連続大凶を引いたことがある。するとその年は何か失敗があると三連続大凶のことが頭をよぎり平年並みの年であっても精神的ダメージを無駄に受けた一年になった。
朝の星座占いも自分が最下位だとその日一日はその事が頭に残って駄目なのである。

 

そんな私が中華街で占いなんて受けようものならどうなるか?結果が一生脳裏に残り私を蝕む。

 

しかも500円の占いの結果にである。

 

よしんば占い結果が良かったとしよう。
貴方は起業すれば成功するなり、今の仕事を続ければうまくいくなり言われたとしよう。
その占い結果を信じて辛い日々を生きていけるだろうか?

 

それも500円の占い結果にである。

 

だから私は中華街の占いは500円で自分の人生を買うような行為に思えて恐怖を感じてしまうのだ。

 

中華街で500円あったら酒でコンビニで買って、異国情緒を味わいながら散策した方がよっぽどマシだと個人的に思う。

 

まぁ、占い結果に頭を悩まされるようなクソザコメンタルで人生に悩んでるような風貌の男がワンコイン握りしめて酒を買いに来たら。中華街の中国人の方々も酒を売らないかもしれない。

 

占いだけに売らないかもしれない。